黒田陶苑

コレクターへの道

より充実したコレクションの為に

【第一回 物故編】

その作家の作品集を集めること

まず、していただきたいのはその作家の作品集を集めること。その作家が生存中に作られた豪華本はもちろん、その当時にギャラリーや百貨店で行われた展示会や企画展の図録を集めそれを核とします。 そして没後に行われた回顧展のものや作家図鑑を併せて求めていきます。

頭の中でその作家のベスト100などを決めてゆく

次に頭の中でその作品群をピラミッド状に整理をしてゆく。「これよりもこれのほうが良い」などの優劣をつけたりしながら、その作家のベスト100などを決めてゆく。図版を見る際に身近においていただきたいのは巻尺です。写真だと本当の大きさが全く伝わりませんので、巻尺を使いながら大きさを確認していただきたいと思います。

作家の全体像を知ること

同時に本物を見るチャンスがあればどこまででも出向いていただきたい。美術館、ギャラリー、百貨店、アートフェアなど。著名な作家ほど、たびたび全国各地で回顧展が行われています。それが近くでなくとも行くべきです。遠方であればあるほど、人間の吸収力というものは比例しますので、ぐっと身近なものとなります。そうしたうちに作家の全体像を知ることになります。買おうとしている作品のレベルを知ることが充実したコレクションの近道なのです。

その作家の位置を知ること

同時にその作家のレベルが美術の中でどの位置にいるかを知ることが必要となります。そこまでできればその作家の逃してはならない重要な作品がはっきり見えてくるはずです。

俯瞰的に見ることが必要です

下から見ずに、上から見ること。その作者の全体像を知り、俯瞰的に見ることが必要です。陶芸という性質上、例外がなく不出来のものと出来がよいものが混在します。そして作者によっては振幅が大きな人と小さな人がいますが、その見極めが最重要なことです。

「高嶺の花」には鍵がある

折角買われるなら、求めるなら良いものを集めていただきたい。十点のふつうの作品より一点の名品の方が絶対良いです。「高嶺の花」といいますが、自分には身分不相応だなと思うものも求めていただき身近に愛好されればそれが基準となり、世界が開けるのです。名品にはその世界を開ける鍵がありますが駄物にはそれがありません。

作品と話す

そうしてどうにか手に入れた作品との対峙。感動の瞬間です。是非、作品とゆっくり話してみて下さい。その作品には必ず、誕生の背景があります。たまたまできた名品など、作家にとっては一点もありません。最初はよそよそしく見えたものも、時間が経つうちに親しみのあるものになります。見れば見るほどと言いますが、本当に良いものは最初に見たときよりもどんどん良く見えてくれはずです。

場所を作る

どんな小さな空間でも構いません。作品をじっくり眺めてみる場所を作って下さい。回りになにもない場所を作れば、作品を安心して見れますし、集中もできます。お勧めするのは、畳の上やフェルトの上です。柔らかいので作品を痛めません。

飾って見る

離れて見ることも必要です。距離を置いて初めて良さが分かることもあります。絵画や書画などとの取り合わせによっても見え方がまるで違うのも、美術の楽しみ方の一つです。照明にもこだわり、その作品の良さが一番出る飾り方をしていただきたいと思います。

大事に保存する

無理のないよう、詰め物を過剰にしないように箱にしまいましょう。良いものであれば良いものほどその作品はお客様の財産であると同時に、人類の財産でもあります。念には念を入れて次世代に伝える義務があります。補足ですが箱もひとつの作品です。箱書や落款部分には絶対、触らないようにして下さい。そして、箱が汚れないように全体に布などをかけることをお勧めします。

偽物はたくさんあります

高いものには偽物があります。故意に作ったものから、彼らが勉強で作っているものまで偽物は世の中に氾濫しています。作品は本物だけど箱は偽物であったり、本物の箱に合わせ偽物をつくっているものもあります。最近多く出回っているのは、本物の箱書の字体を読み込んでスタンプのようにあたりをつけてから加筆したものを良く目にします。この場合は拡大鏡などで見ればはっきりと分かりますが巧妙なものもありますので注意して下さい。偽物を買わない為にも、見識のあるプロを通して買われることをお勧めします。

値段では買わない

求めてしまえば残るのはその取引の金額の思い出よりも、その作品そのものです。値段で判断するのは止めましょう。業者さんのスタイルによっても変わってきてしまうのが値段です。高いから良いものだとか、安いものだから良くないものだということは一概には言えません。

パートナーとの出会い

業者さんにはいろいろなタイプの人がいます。ただ儲かれば良いと思っている人、なんとなく商売する人、良いものを扱うことに誇りを持ちお客様を本当に大切にする人と様々です。見識と鑑識を持ち、高い美意識を持つ業者さんとの出会いがコレクションを充実させます。お客様の意志を汲んで、良い作品をかつ良心的な値段で紹介してくれる人を探すことが最善です。

「美術館のものよりも良いもの」

以前にお客様に北大路魯山人先生の椿鉢を求めいただいたのですが、その後、そのお客様がいろんな美術館で魯山人先生の椿鉢を見たけれど、こちらから紹介された鉢よりも良いものは見ていないと言っていただけました。しかし、これが反対にご自分のものがそれらより出来の悪いものであったらがっかりされると思います。作品は手元に残り、お客様の基準になるものです。当苑では「美術館のものよりも良いもの」をテーマに作品を扱っています。

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