Tokuri, Bizen 備前酔器

土を筒型に抜き出したような徳利。

大きな箆で削り取られたような形は、腰のあたりに節のような段差ができ、歪みを出している。
キュッと引き締まった口から、細い首に続く小さな肩、筒型の胴の腰は少しくの字に曲がって、腰を捻って立つ女性のよう。

周囲にはいくつもの細長く抜けが入り、柔らかな土味と共に、艶のある茶色や、緋色、口元当たりの少しカセた感じが隠﨑先生の作品の中ではシンプルな形であるからこそ、存分に愉しめる。