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老梅雀図 Painting with poem

石黒 宗麿/ MUNEMARO ISHIGURO
  • 老梅雀図
曽嘆老梅何日開     曽て 咲きし 老梅 何れの日にか 開ける
今既過春結顆胎     今 既に 春を過ぎ  顆を 結び 始む
渾是天功徒莫進     渾べてこれ 天功 佳く 進むと いえども
漫々任爾可低徊     漫々 爾(なんじ)に任せん 低徊 すべき所

【字解】
結顆 ― 顆は果物の実。実がなること。
天功佳く進む ― 天候は非常に順調に経過して。
低徊 ― 首をたれてさまよう。

【大意】
梅の花が何時咲いたのであろうか。
今、すでに春も過ぎ、梅雨明けの初夏の頃となって、梅は実を結び始めた。
このようにすべてがうまく進んだのは、何といっても天候が良かったからで、
梅の花が咲いたときや雪や雨が長く降って花を腐らせなかったとか梅雨の日照が適当だったとかであるが、このあとはあんた雀さんよ、そぞろに首をうなだれてさまようなどは、少しも構わないのであるが、
あまりに勢いにのって梅の実を落とすような、わるふざけはしないように頼むぞ。


薫り高く熟した梅の実が落ちてこないかと言わんばかりに、梅の木を見上げる雀の姿が可愛らしく描かれている。
軸先にも天候を表すかのような雲から風が吹くような絵が染付で入る。
身の回りの自然や生き物を温かく見つめ、観察されたものが、作品へと繋がっていったことが感じられる。
お問合せ番号 No.MI-15
小山冨士夫箱(With wood box titled, signed and sealed by Fujio Koyama.)
500,000円
31.0/H77.0cm
軸装

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