2022冬【ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展】 9.　鈴木藏　志野　／　SUZUKI Osamu　Shino

「現代の名碗」菊池寛実記念智美術館　（2013年）　出品作品

ガス窯での焼成と共に力強い造形と釉調で、現代の志野焼に大きな足跡を残してきた鈴木藏先生。藏先生らしい量感溢れる造形で、沓形の器形は少し胴が内に入り、その分口が天に伸びやかに拡がるように見える。荒い筆を用いたのだろうか、全面にまるで炎が走るように鬼板が施され、上にかけられた長石釉を超えて激しい景色を見せている。2010年の作で、高台脇に彫銘がある。