「美しきものミツ」

命あるものはすべて美しい。
花や山や海、動物や人、世の中には誠に美しいものが満ちている。
人々は古来より永遠の命を持つ美しいものを、
自分たちの手で作りだそうとしてきた、それが藝術である。
音楽、建築、絵画、書、工芸、陶藝など、我々が生活してゆく上で
それらは人々を強くし、そして生きる喜びを与えてくれる。

藝術の中でも陶藝には使える楽しみがあります。花を生け、料理を盛り付け、お酒をいただき、お茶を一服する。すべてに器が必要となります。そして、せっかく使っていただけるなら、本当に良いものだけを使っていただきたいと、私どもは願っております。

無意識で過ごす生活は意識的に良いものを使うことで、はるかに豊かで楽しいものとなります。美術館でガラスケース越しに見るのと身近において楽しむことはまるで違うのです。自分のものにして初めて、その作品の良さを深く噛み締めることができるのです。

しぶや黒田陶苑ではこれまでの経験を活かし、美を追求しながら、近現代の巨匠陶藝家の逸品を厳しい眼で選び皆様にご紹介して参ります。そしてまた同時に、現代に生きる陶芸家たちにより良い作品を作って貰えるよう、皆様と対話をしながら美術商の本道を彼らと邁進してゆきたいと思います。

株式会社黒田陶苑 代表取締役 黒田草臣

社長略歴

黒田草臣 Kusaomi Kuroda

1943年鎌倉生まれ。1965年明治学院大学経済学部卒業。(東京渋谷)株式会社黒田陶苑代表取締役。40年にわたり、陶業に携わり、「北大路魯山人展」「大備前展」など近現代陶芸家を中心とした展示会、個展を自店やデパートなどで数多く企画プロデュースする傍ら、雑誌・単行本等で陶磁器に関する執筆・監修を行う。

著書に『とことん備前』(光芸社出版)、『備前焼の魅力探求』(ふたばらいふ新書)、『器・魯山人おじさんに学んだこと』(晶文社)、極める技『現代日本の陶芸家125人』(小学館)、『名工と名品の陶芸史』(講談社)、『終の器を選ぶ』(光文社新書)。現・沖縄県立沖縄芸術大学非常勤講師・朝日旅行「極めつけ陶芸紀行」講師など多数兼任。