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耀貝腰張棗 Tea caddy, Mother-of-pearl inlay

黒田 辰秋/ TATSUAKI KURODA
  • 耀貝腰張棗
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黒田辰秋先生の螺鈿の中で最も特徴的なのが、メキシコ産のアワビを用いた『耀貝』の仕事である。この材を用い始めた初期の作品では表面を磨き、光沢を出すことで他の螺鈿で用いる貝と同様に使用しているが、次第にその表面の凹凸を生かし、表面は軽く磨く程度にとどめ鈍く力強い光の中に複雑な海中の輝きを感じさせるような独特の表現へと変化した。それは表層的な加飾としての螺鈿ではなく、器体の造形をも形作るような「螺鈿」の仕事と言えるだろう。

形は胴から腰の部分へと膨らみを持たせた「腰張棗」で、敢えて蓋と身で材を分けずに両方にかかるように同じ貝を用いることで一つの造形物としての存在感を強く印象付けている。
7.5 / H7.5cm
共箱 / with box signed by the artist
売約済 / Sold

黒田 辰秋 作品一覧