Tea caddy, Mother-of-pearl inlay 耀貝螺鈿総張茶器

親交のあった棟方志功先生によって「耀貝」と名付けられた螺鈿はメキシコ鮑を用いたもので辰秋先生を代表する仕事として名高い。下地を施し、貝片を張り付けた後、錆付け、溜漆、炭研ぎ、蠟色磨きなどの多くの工程を経て仕上げる制作方法をとっている。本作品は、茶器としては大ぶりで重厚感があり、鑑賞物としても素晴らしさを感じる。表面は軽く磨かれていながら貝本来の凹凸があり、素材の光沢感から来る美しさは、海の中の輝きを思わせ、強い存在感を放っている。