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色繪陶板 Plaque, Overglazed enamels

富本 憲吉/ KENKICHI TOMIMOTO
  • 色繪陶板
1908年10月(明治41年)、東京美術学校図案科で建築・室内装飾を専攻していた富本先生。
卒業制作をいち早く提出し、ロンドンへ留学。英国の建築・室内装飾を見るだけでなく、ウィリアム・モリスの研究など研究をされた。
翌年にはロンドンでステンドグラスの実技を学び、日中はヴィクトリア・アンド・アルバート美術館に通い、所蔵されている工芸品を熱心にスケッチされた。
1909年から1910年には文部省技官新家孝正の助手としてイスラム教建築研究の為インド旅行へ出発。パリ、マルセイユ、カイロ、ボンベイ、デリー、カルカッタなどを回る航路であったという。

多感な20代前半に過ごした留学生活。この時の生活が与えた影響は、その後の富本先生の製作に様々な形で現れている。

当時の英国の室内で、絵皿が壁に掛けられているのをしばしば目にしたという富本先生。同じように平面の陶磁器による室内(壁面)装飾を考え、最初期の「大和時代」から試作を重ね生み出されたのが『陶板』の仕事である。

あくまでもその絵付に主眼を置き、絵画性を持った装飾としての陶磁器。平らな器形は割れやすく、何度も失敗を繰り返したという。

絵と同様に自作作品を作中に描くことも多かった富本先生。
本作品も自作の蓋付壷を描いたものと思われる。
新たな陶芸での表現を試みた貴重な作品と言える。
お問合せ番号 No.KT-36
11.9 / H1.4cm
昭和16年作 / 1941
東美鑑定書付 / with TOOBI Certification for Fine Arts
売約済 / Sold

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